修験宗傳道抄

陸奥乃法場 大光院住
葛城法印 小覚坊花押

東日流三密場

法身山坊 十六坊
東日流阿闍羅山
報身三坊 十八坊
東日流中山
應身山坊 十三坊
東日流十三連峯

右何れも修験宗也。

傳道之事

傳道祖
髙賀茂役小角
大唐僧小摩
宗旨
修験宗と號す。

一、日本神道
一、天竺佛道
一、大唐佛道
一、大唐佛教
一、囘教
一、天竺三教
一、貴利支丹
一、蝦夷神道
右修成して修験宗大要とし、異土人種各々の宗派にぞくせず平等、淨水修行を以て修験宗の宗旨とす。

宗尊像之事

本地像
摩訶如来
垂地像
藏王権現

右二尊を以て修験宗三世諸神佛の修成混合尊とす。

経典之事

生死輪廻経一巻
求世三身経三巻
降魔調伏誦四巻
滅後安心誦一巻
常日誦一巻
右五経を以て修験宗安心立命の経文と為す。

霊鎭之事

中央本垂二尊、右陽霊位、左陰霊位

供物之事

山海珍味何れも可。華木草根付にて再植を得る鉢にて可。鳥獸よしとするも生命断ざるにして法要後必ず放つを以て可。

墳墓之事

仙中にして可なれど、南東向にして可。三代以上同葬不可。

道場乃事

洞窟道場 養霊
掘建道場 願行
無建物道場 降魔

法衣乃事

木葉衣
麻衣

食物乃事

御酒三杯是を救す木の實・草の實にて可。

住居乃事

樹下・岩穴及び自ら建てたる家棟にて可。

夫婦之事

男女共寝の日時後水打の行を修して神佛に會す可。

修験宗大要乃事

世に生を人間にて受く者、三世の因果にて善惡を生ずるが故に三身の修験を心身に行じ、安心立命の境に成願してぞ得るは生死輪廻に人間魂を失せるなく再生を得る。依て修験宗は行願實行の行者に入りて眞如實相を得る也。

天文二年 是書
明治元年六月 松野房㝍文