金光月影抄

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心意之事

此の絵巻は金光上人が御在世の際に、行丘地頭甲野七ヱ門及び不二崎老婆やよの御聞に依る、金光上人の一代記也。□□□□筑紫及び京師に巡脚して□□實否を究明し、御遺徳を後世に傳へんとし□□□□貧苦に窮して三年九十日の年月を費し、記たる御絵巻なり。

念佛未踏の東日流に、金光上人の御教久遠に不滅せんが爲に、此の一巻を衆生の心身に書遺し、拙僧の悦□□て後世に及びて、徒らに此の絵巻を寺庫より持出□□事は固く戒むる也。此の絵巻の□觀は毎年三月二十五日と定め、他日の開觀は固く禁ずるもの也。

応永元年十一月二十五日
金光山西光院住僧
律師念西、花押謹書

※その他、画像中に登場する文字は以下の通り

末法念佛獨明抄
勅宣 賜
金光殿

みちのくの野辺の露とも消えずして
  越にし里の月を見るかな

金光

金光月影抄
南無阿弥陀佛

応永元年五月三日 念西謹書
金光月影抄 獨明篇 終

念佛正法講

淨土宗血命連判誓書
一、吾等は師の本願に身心を捧
 げ萬難に越へて淨土門を護持
 する事を誓ふもの也
一、禁令相済迄は念佛正法
 講と稱名し念佛衆生のた
 めに殉ずるもの也
 右二條の誓を認め茲に連判す

  金光砂門圓證
  勢觀砂門源智
  平氏阿波之介
  西念阿彌陀房
  武□□□連生

金光山往生院正牛寺
八幡大菩薩
白龍丸
南無阿弥陀佛
白龍山善明寺
遠野念佛講

修験宗正中山應身院
淨土宗念佛
南無阿弥陀佛
施主之松

月影の至らぬ里は無けれども
  眺むる人の心にぞすむ

源空

□□□□□月二十五日 西念謹書
金光月影抄 往生篇 終